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2007年10月

高千穂が呼んでいる

 最近のことですが、銚子電鉄(千葉県銚子市)の“ある話題”がホームページ掲載をきっかけにネット、マスコミと拡大、これによって同電鉄は大きなプレゼントを得られたのです。

 

 その話題というのは、06年11月に同社ホームページに突然「緊急報告」として、「電車の法定検査の費用が資金不足で捻出できず、2007年の元日以降、現在のダイヤで運行できなくなるかもしれない」とのメッセージがアップされ、その解決のために「ぬれ煎餅や電車グッズを購入してほしい」との切実な呼びかけが労使一体でなされたことです。

 「ぬれ煎餅」というのは、地元・銚子の代表的な醤油を使った専用の醤油だれに焼いた煎餅を数秒漬けた煎餅です。同社では1995年から、鉄道会社としては初めて自社での製造販売に取り組んでいます。これは大ヒット商品となって、鉄道部門の倍以上、年間2億円以上の売上を同社にもたらしています。

 銚子電鉄は、昭和60(1985年)年のNHK朝の連続テレビ小説「澪つくし」の舞台として、沢口靖子演じる主人公・かをるの通学や日常風景に同社の鉄道風景が取り上げられ、その存在が一躍全国区となりました。しかし、全長6.4Km、その気になれば歩ける距離を結ぶローカル鉄道で、沿線の観光資源といっても犬吠埼他これといったものがありません。“澪つくし”ブームが去ってからは、1両で海沿いをゴトゴトと走る鉄道そのもの、そして副業として「ぬれ煎餅」を初めとする特産品や土産品の製造販売で命脈をつないで来たのです。

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副都心、どれだけ増えても副都心

 東京の湾岸部では、一時は停滞した観もあった再開発が再び活発化しています。なかでも最大の臨海副都心では、ゆりかもめから見た風景に限れば、以前はあちこちらに見かけた遊休地にプロジェクトが始まっているように感じます。
Toyosu
 こうした湾岸エリアで、その気になれば徒歩でも銀座まで行けることから、位置的・規模的に注目されているのが豊洲地区、正確には「豊洲2・3丁目地区再開発事業」です。一昨年くらいまでは石川島播磨重工のオフィスや東京造船所等が立地していましたが、造船所の閉鎖とともに、その広大な土地を再開発することになったのです距離で、住機能に加えて商業がオープンしました)、オフィスを加えた新しい副都心開発が進んでいます。江東区は、“湾岸地区最大の民間開発事業。東京都が策定した「 まちづくり方針」によると、将来的には就業人口約33,000人、居住人口22,000人の複合的な街づくり”と紹介しています。

 私にとってこの町は通勤路にあたり、毎日都営バスの窓から町の変遷を見てきました。それまで豊洲の景観の中心であった古いオフィスビルや工場、物流倉庫そしてスポーツ施設等が次々にスクラップされ、代わりに高層のオフィスビルや超高層・高層のマンションが次々に竣工を迎えています。まだ調査中とのことで、工事も始まらない晴海通り沿い場所(3街区・4街区)でも、いずれはランドマークを意識した超高層住宅兼オフィスビルが建設されることでしょう。そうなれば、この場所に造船所があったことも、片道4車線の直線が続く道路が航空機開発のためであったことも、そして付近は江東ゼロメートル地帯であることも、高層の窓から下界を見下ろす街ではいつしか忘れられていくのかもしれません。

 しかし徐々に完成していく街を見ていると、無機質感の高い景観や雰囲気に人気があることに驚きます。豊洲もそうですが、南側の東雲に至っては、運河沿いに50階クラスの超高層マンションが林立しており、湾岸道路から春海橋にかけての晴海通り沿いは、人工都市化が急速に進んでいるのです。

 まあデベロッパーの基本は「土地有効活用」ですから、地主や地権者そしてデベロッパーにとって最大利益をもたらす開発計画を立案して実行します。土地価格が高く上昇傾向にある首都圏では、特に「有効利用」にこだわるため、結果的に容積を重視した高層建築で街が作られることになります。そういえば『StarWars』や『フィフス・エレメント』など、SF映画で描かれる未来都市は、たいてい超超超超・・・高層建設をコアとしていますね。高いところに生活基盤を持ってきたいのは現代人の共通欲求なのでしょう。

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“ゆりかごから墓場まで”を町空間で担保する

 東京・築地と言えば、たいていの人は「築地市場」を思い出すでしょう。グルメの素材では“築地で仕入れた”、“築地で選んだ”ことが前提のようになっています。また、築地の場外・場内にある飲食店についても、インターネット社会では詳細な情報(どこが旨い、何がお薦め、開店はいつ、どの時間帯が空いている・・・等)が流通していることもあり、06年まで築地市場のすぐ近くにオフィスを構えていた当社にとって、深夜2時頃から始まる賑わいは、不況もどこ吹く風、毎年拡大しているように感じていました。
Kagohongazi
 さて築地のランドマークとして、市場を超える存在が『築地本願寺』です。正式には「浄土真宗本願寺派本願寺築地別院」と呼び、特徴的な本堂は、“東京(帝国)大学工学部教授・伊東忠太博士の設計による古代インド様式で昭和6(1931)年に起工、3年後の昭和9(1943)年に落成され現在に至っている。インド様式の石造りだが、本堂内は従来通りの桃山様式を取り入れた”建築です(同寺の公式サイトより)。
 境内への入場は自由で、本堂の内部の荘厳な空間を目の当たりにできます。さらに07年9月には、境内にイタリアンスタイルのカフェ『カフェ・ド・シンラン』がオープンするなど、東京という大都市に立地する寺院ならではの仏の啓発活動にも取り組んでいます。

 07年10月11日、この本堂を会場として、築地本願寺が主宰(正確には本願寺宗務首都圏センター本願寺築地別院東京教区教務所)の公開講座『介護の町内化に学ぶ 〜地域ケアにおける寺院のあり方〜』が開催されました。神社仏閣の持つ空間と生活空間の融合と連携が、高齢化が進む日本における今後のまちづくりの大きなポテンシャルになる考えている筆者にとって、見逃させないテーマのセミナーです。しかも無料というのもありがたい。編集部のスタッフと連れだって、久しぶりに築地の町に足を運ぶことになりました。

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“お客さま思い”をどう伝えるのか

 仕事柄、新聞に折り込まれた自動車販売店のチラシは捨てずにすべて保管しています。07年は新車の売れ行き不調により、秋以降はニューモデルが多数登場します。これに、“アンコール展示会”告知もありますでので、週末の折り込み量はますます増えていきそうです。
Photo  新車の折り込みチラシは、国産車と輸入車ではデザインの趣向が違います。国産車の場合、掲載される情報量が多く、金額や買い方を示したプロモーション志向、輸入車になると車種が少ないこともあり、どちらかとえばブランドや車のイメージをメインとする訴求に落ち着いているようです。今日は、主に国産車のチラシについて考えてみます。
 販売店からすると、チラシは釣りのコマセのようなもので、とにかく広域に情報を拡散させて、関心を持った人が自店に来店いただければそれで大成功です。というのも顧客に対する代替促進が現在の営業の中心活動ですから、チラシを見て新規客の来場が増えれば、それはもう願ったり叶ったりです。
 新車の登場は繰り返されるマスメディアのCMで一定の認知ができているでしょうから、チラシでは興味関心に対して少しでも購入を意識して頂くようにと、価格(がリーズナブル)、お得(購入インセンティブ)を徹底するのは各社に共通しています。
 公正取引の観点から値引き○○円を声高に記載するわけにはいきません。販売正常化にワンプライス、という業界としての立場もあります。しかしオマケや景品については、景表法の範囲であれば自由競争ですから、メーカーや本部の懐具合に応じてメニューが決められています。
 私がコレクションしている東京湾岸エリアの朝日新聞折り込みチラシで言えば、新車購入のお礼の一環だからイベントとして華々しい方が喜ばれるだろうと、「豪華温泉旅行への招待」、「有名一流レストランでのディナー招待」といった企画を別にすれば、ほとんどは来場、査定・試乗、成約と商談のステップに応じて、車両に関連するパーツやメンテナンスグッズの進呈や割引装着となっています。
 しかし、実勢価格でなく販売店小売価格で5万円のパーツ類(コンソールボックや消臭グッズ等)やガラスシーラントのようなカーケア商品を提供することは、この不況期に数百万円の商品を購入いただき、あるいはこれから数年間は自店舗とのお付き合いをご納得されたお客さまに対する“ほんの心ばかりのモノ”として妥当なのでしょうか?お客さまを想ってのことだ、と自負できるでしょうか?

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東京モーターショーよりも、H.C.Rへ行こう

Hcr2007  H.C.Rとは「国際福祉機器展」のことです。今年(07年)で34回を数える由緒ある展示会です。
 テーマはそのネーミングのとおり、“ハンドメイドの自助具から最先端技術を活用した福祉車両まで、世界の最新の福祉機器”にあり、3日間の期間中約13万人の来場で、会場の東京ビッグサイト(東館すべてのフロアを使用)は、健常者はもちろん、車椅子の方、障碍をお持ちの方などで大混雑します。その詳細はこちらを参照して頂くとして、この展示会を自動車販売業界を対象に取り上げたのは、国内メーカーのすべての福祉車両が勢揃いする唯一のチャンスだからです。
 東京モーターショーでは、福祉車両はどうしても脇役です。その技術革新やユーザーマインドを知る上で、H.C.Rを外すわけにはいきません。
Daihatu  社員のスキルアップとモチベーションアップに、東京モーターショーを見学させる販売会社は少なくありません。しかし、H.C.Rを見学させる例は率直に言ってほとんどないでしょう。“あれはウェルキャブの展示会だからわざわざ行かなくても・・・”“担当がきっちりメーカーで研修を受けているから問題ないので”との意識がマネジメント側に固着し過ぎているからです。
 東京モーターショーよりも、H.CRで福祉車両のみならず、福祉・介護機器とそれを必要としている社会の現実を知る方が、これからの少子高齢化社会、特に地方部の販売会社では、どれだけ貴重な体験になるか考えたことがあるでしょうか?“
 カーライフアドバイザー”として、車まわりを考えておけばよい市場は消失しつつあるのです。お客さまの“ライフ”をアドバイスできるスキルの有無が、業界人の基本でありカーセールスに直結する時代が確実に到来しているのです。

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万葉線が実証した「事業のやり方」改善

Aitoramu  レトロとは演出であり誘客創造です。人の手やアイデアが何も投影されていないような、朽ち果てただけのものは単なる「ボロ」に過ぎません。鉄道業界で、こうした“負の究極”といえば、現在の万葉線(株)が経営を受け継ぐ前の加越能鉄道時代の同線でした。維持の限界を超えた車両、錆のメンテナンスは車庫近くの自動車用品店で入手したパテで応急修理するなど、個人のガレージワークのような作業によってカネをかけず、結果的にだましだましで使っていたのです。車両も軌道も精一杯ですから、安全上スピードが出せません。すると、元気のいい若者は、自転車の方が早いばかり、電車を利用しません。物心ついたときから連暖房完備の個室に慣れている日本人の方が多い時代です。いったんマイナスのイメージが形成されるともういけません。
Manyousenuntenseki  加越能鉄道が同線の廃止を発表した当時、もはや会社に積極経営の意識もカネもなかったようで、あとはいかに安楽死させるかといった状態でした。監督官庁の国土交通省にとって万葉線というのは「鉄道施設がどれだけ手を入れないで耐久できるのかの実験路線」のような位置づけだったのです。
 2007年の9月、久しぶりに高岡です。はじめてこの電車を利用したのが15年前、次いで5年前、そして『レトロの集客活性力』の取材で訪れた3年前とは様相は異なり、駅前電停にはモダンなレッドカラーに身を包んだ最新のLRT低床車両(MRV1000型)が静かに乗客を待っていました。その乗り心地は、安全地帯のない“恐怖の”電停、保線の状態が悪く少しでもスピードを出すと激しい横揺れ(特に伏木川の鉄橋を渡るときは極めてスリリングであった)を起こしていた以前とは違って、すばらしくやさしい、心地よい時間を提供してくれました。

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富山市、車社会で公共交通による移動の自由をつくる

 

交通のみならず、まちづくりの紹介しても取り上げられる富山市のLRT「ポートラム」(富山ライトレール(株))。廃止寸前のJRローカル路線を事業として再生させた実績が注目されています。注目すべきは、行政(富山市)主導のまちづくりながら、その取り組みは極めて戦略的かつ実践的であることです。耳障りの良いキャッチフレーズを輪唱しただけ、あるPortramいは国の補助金をばっちり獲得しただけといった短期的・戦術的な愚かしさは一切感じません。私は、同市のまちづくりは、「富山モデル」としてもっと認知を拡大すべきと思います。
 そのコンセプトは、「高齢化社会に対応した、公共交通の整備による、コンパクトなまちづくり」です。第8回全国路面電車サミット(06年10月、長崎市で開催)における同市笠原勉助役(当時)の発表によれば、『公共交通を活性化さえて、その沿線に都市機能が集積したコンパクトなまちをつくり、マイカー利用意図に応じて郊外・都心居住の選択自在度を高める』活動ということになります。

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